「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」白馬村さんを訪問し、提言を行いました。地球温暖化対策~エネルギーの地産地消を目指して~ 地域共同太陽光発電所をつくろう!

    活動報告

    「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」白馬村さんを訪問し、提言を行いました。地球温暖化対策~エネルギーの地産地消を目指して~ 地域共同太陽光発電所をつくろう!

    4月28日(木)「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」企画の一環として白馬村役場を訪問し、提言を行いました。


    地球温暖化対策~エネルギーの地産地消を目指して~ 地域共同太陽光発電所をつくろう!


    「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」とは、県内の児童・生徒の皆さんから、企業、自治体といった「大人たち」に向け、SDGs達成のために「もっとこんなことをしたらどうか」という提案をぶつけていただく取り組みです。


    今回なんと約280もの応募をいただきました!その中から選ばれた5つの提言を、企業や自治体に向け、実際にプレゼンテーションをしていただきます。


    今回のプレゼンターは、白馬中学校3年の渡邉さん。なんと、この企画に1番最初に応募してくれたのだそう!スキーが大好きな渡邉さんは「最近白馬の降雪量が減っている気がする…」と、雪を守るための「サステナブルな発電」について提言を行いました。


    提言先は白馬村役場。テーマは「地球温暖化対策~エネルギーの地産地消を目指して~ 地域共同太陽光発電所をつくろう!」です。


    プレゼンの概要は以下の通りです。


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    1)テーマ設定のきっかけ


    ・最近、白馬の降雪量が減っているように感じる


    ・白馬の雪を守って、これからも大好きなスキーを続けたい!


    ⇒長野市の鬼無里を参考にした【地域共同太陽光発電所】を作るのはどうだろうか?


    2)3つのメリット


    a:地域の人々に【地球温暖化】や【農家の減少】といった課題があることを知ってもらえる⇒地域の課題を意識してもらうことで、協力者の増加が期待できる


    b:電力会社や行政だけでなく、地域住民や地元企業も共同で運営する発電所は珍しいため、白馬村のシンボル発電所になる⇒鬼無里や白馬から、全国に向けて取り組みを発信。化石燃料の使い過ぎに歯止めをかける


    c:ワークショップとして実際に発電所づくりに関わることで、得られる経験が増える


    ⇒自宅に太陽光パネルを設置する際にも生かせるし、視察に来た方に資金集めや建設、管理等について参考にしてもらえる


    3)3つの課題


    a:場所の確保が難しい⇒森林を切り開いて施設を設置するのは望ましくないため、景観を損なわない程度に【休耕田】を有効活用する


    b:費用の確保が難しい⇒設置費用を下げるべく、ワークショップ形式で、自分たちで発電所を作る。また出資金が自然エネルギー事業に直接投資される【おひさまファンド】という事業を活用。発電によって得られた収益は、出資者に分配される


    c:運用・管理をする人がいない⇒NPO法人を立ち上げ、管理も自分たちで行う。また発電所の業務以外にも、植樹活動やSDGsの啓発活動など、地域のためになる事業を行う


    4)役割分担


    渡邉さん:協力者増加に向けたプレゼン、建設作業、管理、監視


    NPO法人:建設作業、協力者増加に向けた活動、管理、監視


    行政:候補地探し、手続きの支援、地域への協力依頼、出資


    地元企業:建設作業への協力、資材の提供、出資


    5)まとめ


    ・【地域共同太陽光発電所】には多くのメリットがある一方、解決の難しい課題もある。しかし、多くの人が力を合わせれば乗り越えられるはず。ご協力をお願いします!


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    白馬村では、気候変動への危機感を募らせた高校生たちが行った「グローバル気候マーチ」と、それにより集まった多数の署名を受けて、2019年12月4日に「気候非常事態宣言」を出しました。


    今年その基本方針が出来上がり、「次のステップに行きたい」と話す職員さんに、渡邉さんが「まずは役場の屋根に太陽光パネルを付けるのはどうでしょうか」と提案。


    しかし、職員の方の反応はイマイチ…。というのも、白馬村では4年前、村役場の車庫への太陽光パネル設置を検討したことがあるのだそう。しかし、「日照不足」と「積雪」がネックとなり、十分な発電が期待できないことから、計画は中止となってしまったそうです。


    その代わり、白馬村で現在注目されている自然エネルギーは「風力」なのだそう。今後「サーキュラーエコノミー」をさらに推進し、「環境」を観光のキーワードにしていこうと、2030年をモデルに、県外企業の協力を求めながら取り組みを行っているそうです。観光事業者もサステナブルなアメニティを採用するなど意識が高く、今年はシンポジウムの開催も予定しているのだとか。


    立地の問題や技術不足など課題はまだまだ多いそうですが、県に向けた働きかけも行いながら、少しずつ計画が進んでいると言います。


    「今後、環境に対して同じ思いを持っている人々をつなげていきたいです。渡邉さんにも、ぜひ協力してほしいと思っています」と職員さん。


    プレゼンに同席していた教頭先生は、「行政が先を見て動いてくれて感謝しています。白馬を好きでいてくれる子どもたちのためにも、共同のプロジェクトを行ってほしいですね」とお話ししてくださいました。


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    プレゼン終了後、「めちゃくちゃ緊張しました」と笑顔の渡邉さん。今後の目標を聞くと、「今回プレゼンしたプロジェクトの実現と、白馬中学校の断熱改修の実行です」とのこと。Hakuba SDGs Labのイベントへの参加や、学校のSDGsサークルでの活動など、積極的に取り組みを行う彼の、これからの活躍が楽しみです!!