SDGs企業取組事例

環境に負荷をかける業界だからこそ、課題解決に向けて真摯に取り組む。

株式会社 髙見澤 コンクリート事業部

2021年11月、長野県SDGs推進企業として登録された(株)髙見澤コンクリート事業部。SDGsが広まる以前から、リサイクルできない有色ガラスを砕いた「ガラスカレット」でコンクリートを製造するなど、環境問題への意識が高かったそうです。そんな同事業所が今、力を入れている製品は「防草ブロック」と「溶融(ようゆう)スラグを使用したコンクリート製品」です。

1)防草ブロック
コンクリートブロックと道路の間に生える雑草の抑制効果がある製品です。ポイントは「溝」。植物の成長を止める特殊な角度で形成されており、草刈りの手間や、農薬の散布により起こ 環境負荷を軽減します。雑草で子どもの姿が隠れ、事故の危険性 がある小学校の通学路などに使われているそうです。

2)溶融スラグを使用したコンクリート製品
ここ数年は「ガラスカレット」に代わり、ごみ焼却後の灰を溶かした「溶融スラグ」でコンクリート製造を行っています。ごみの最終処分量が減る上、砂やガラスカレットよりコストも低いのだそう。現在はまだ試験段階ですが、テストを重ねながら、シェアを拡大していく予定です。

事業部長の峰村貴広さんは、「『良い製品』を追い求めるだけで なく、『事業所の取り組み』に付加価値を付けていきたい」と 話します。次の大きなテーマは「脱炭素」。現在、二酸化炭素を吸収できるような製品の開発を目指しているそう。「コンクリート製造は、二酸化炭素を大量に排出してしまいます。自分たちで出した分は自分たちで吸収できるように、研究を重ねていきたいですね」

溶融スラグは「アルミ」が混ざるとコンクリートの 材料にできません。分別に注意したいですね

植物の茎や葉は下向きに、根は上向きに伸びると枯れるという特徴を生かした形の溝です

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