News

【出前授業レポート】長野日本大学中学校 ×信州ハム株式会社

2026年05月21日

上田市に本社を構える「信州ハム株式会社」さんによる特別授業が、長野日本大学中学校にて開催され、探究創造コースの中でも「食」に興味のある生徒たち18名が参加しました。今回の授業では、ウインナーづくりを体験しながら、信州ハムさんの製品のおいしさや安全性の秘密に迫りました。

——————

この授業のきっかけとなったのは、ある2人の生徒の思いからでした。「ドラマを見て薬剤師に憧れた」という池田さん。共に活動する中澤さんとともに「漢方薬」に興味を持ったことから、「服薬補助食品をつくりたい」と考えていたそうです。しかし、服薬補助食品は、厳しい衛生管理のもとでの製造が必須のため、信州ハムさんに相談しウインナーづくり体験を通じて「衛生管理」を学ぶことになりました。

また、この授業は長野県が推進する取り組み「しあわせバイ信州」の主旨に則したものでもあります。冒頭で「しあわせバイ信州」の担当者の方から資料が配られ、説明がありました。

「しあわせバイ信州」とは、私たちの消費行動が地域社会の未来にどのような影響を与えるかを考える運動で、地元で作られた農産物や加工品を選ぶことで、地元の生産者や企業の経済活動を支え、地域にお金が循環する「地産地消」を推進するものです。地域内でお金が回れば、農業や畜産業が安定し、田畑が守られ、自然景観や環境の維持にもつながります。反対に、安価な外国産ばかりを選んでしまうと、地元の産業は衰退し、耕作放棄地の増加や景観の悪化、さらには輸送による環境負荷の増加といった問題も生じかねません。地元産を選ぶことが「自分たちの未来を守る行動」であると教えてくれるものなのです。

 

さて、今回授業をしてくださる「信州ハム株式会社」さんは、上田市に本社を置く老舗の食肉加工メーカー。主に製造しているのはハム・ソーセージ・ベーコンなどで、自社ブランドに「さわやか信州軽井沢」や「グリーンマーク」製品を展開しています。1974年から約50年、添加物を極力抑えた製法にこだわり続け、発色剤を使わずに製造された「無塩せき製品」の分野では、国内トップクラスの実績を誇ります。

今回指導に来てくださった社員の方々は、加工肉のプロフェッショナル。中でも関さんという方は、加工肉の本場ドイツで2年間修行をし、現地で肉の販売許可を得るために必要な「食肉マイスター」の資格を取得したのだそう!そんな本場仕込みの技術を持つ方々と一緒にウインナーづくりができるなんて、ワクワクします!

ちなみに…「ソーセージ」とは、ひき肉を腸に詰めた食肉加工品の総称。羊の腸なら「ウインナー」、豚の腸なら「フランクフルト」、牛の腸なら「ボロニア」と呼ばれるとのことです。

 

 

さて、いよいよ待ちに待ったウインナーづくり。今回は4グループに分かれ、各グループ「プレーン」「ハーブ」「チョリソー」「ガーリック」の4種類に挑戦しました。

 

【ウインナーの作り方】

1)材料と下準備

主材料は豚の肩肉と塩。肩肉は筋が多く、弾力と旨味が出やすい部位なのだそう。そこに香辛料や各フレーバーを加え、水を加えて手で練り上げます。ポイントは「冷たい状態で練ること」。こうすることで、粘りが出やすく、風味も損なわれません。

2)腸づめ

練り上げた肉だねを、専用の機械を使って羊の腸に詰めていきます。詰めすぎると破裂、緩すぎると後の成形がうまくいかないため、適度な加減が大切です。各グループに信州ハムの方が1人ずつついて、丁寧に指導してくださいました。

3)成形

腸づめしたウインナーの中央部分を2回ほどひねって二つ折りにし、その2本を合わせて、ちょうどいい長さのところで再び2回ひねります。この時できた輪っかに片方を通すことで、ねじりがほどけない構造に。この一連の工程で、見た目も整ったウインナーになります。

4)加熱処理

成形後は、約70℃のお湯で15分ほどじっくりゆでてから、フライパンで軽く炒めます。こうすることで中までしっかり火が通り、皮はパリッと中はジューシーなウインナーになります。この工程は信州ハムの方々が担当してくださいました。

出来上がったばかりのウインナーを試食。「美味しい!」「手作りっていいね!」と、各グループから感想が飛び交いました。さらに、別のグループがつくったフレーバー違いのウインナーも食べ比べて大盛り上がり!

授業の最後には、信州ハムさんを知る紹介動画を観て、質問タイムが設けられました。

 

Q:食品づくりで大切にしていることはなんですか?

A:人が食べるものなので、一番は衛生管理。安全で安心な食品を届けることを常に心がけています。

 

Q:添加物を使わず美味しいウインナーを作る秘訣は?

A:肉の鮮度、徹底した衛生管理、そして50年にわたる技術の蓄積によるノウハウです。

 

Q:包装や袋の工夫について教えてください

A:袋は空気を通さない高いバリア性を持つ素材を使い、真空技術で酸化や微生物の繁殖を防いでいます。また、使いやすさや取り出しやすさにも工夫をしており、手で簡単に開けられるマジックカットなども採用しています。

 

Q:今後、海外へ展開する可能性はありますか?

A:食肉の輸入輸出には規制が多く、賞味期限の課題もあるのですが、日本の食品は海外で評価が高いため、冷凍やレトルトなど加工せずとも長持ちする商品を検討し、少しずつ輸出に向けた取り組みを始めています。

 

Q:SDGs達成に向けた活動やサステナビリティについての取り組みはしていますか?

A:SDGs基金として、ギフトやお中元・お歳暮の売上の一部を活用し、食育などを行う団体への助成を実施しています。また、廃棄物の有効活用にも取り組んでおり、形が悪く商品化できないものを堆肥化したり、地元の酒造と協力して、酒粕とベーコンの端材を使った商品開発も行っています。

 

最後に、信州ハムさんから逆質問が。「皆さんは、どのフレーバーのウインナーが一番おいしかったですか?」その場で手を挙げるアンケートの結果は…「ガーリック」と「ハーブ」が同率でした!「正直意外です。でも参考になります」と関さん。売上ではシンプルな味の「プレーン」が一番とのこと。一般的には、素朴な味わいが多くの人に好まれるようです。

今回の出前授業を通じて、「ウインナーを作る」という体験に留まらず、「信州ハム」さんの魅力をより強く感じることができました。「添加物を使わず、鮮度と衛生管理、そして長年の技術によって安全で美味しい食品を提供する」という姿勢。地域の自然環境や良質な水、気候があってこそ製造可能なクオリティ。信州ハムさんの商品には、多くの人の努力と自然の恵みが込められていることを実感しました。

また、企業の努力や「信州産」の良さに気づき、地元のものを選ぶことが、地域の未来を守る一歩であるという「しあわせバイ信州」の精神にふれることもできました。とても貴重な一日となりました。

News

Archives