信州大学教育学部附属長野中学校では、地域や企業、団体とのコラボレーションで社会貢献活動を行う「あさひのプロジェクト」という学校独自のプロジェクトに取り組んでいます。その中で、パラスポーツの楽しさを伝え、障がい者と健常者の懸け橋となるような「車いすバスケイベント」を計画するチーム「ふみちーず」の活動を、今回NSP事務局がサポートしました。
12月25日(水)、活動の集大成として、プロジェクトについて振り返りながらまとめ、「成果発表会」を後輩たちに向けて開催しました。
11月9日(土)に行った「わくわく!車いすバスケ体験会」で「誰一人取り残さないイベント」を成功させたふみちーずの皆さんは、今回のイベントをどう振り返るのでしょうか?
発表の内容は・以下の通りです。
<活動目的>
⇒上記を目的に11月9日(土)柳原体育館にて「わくわく!車いすバスケ体験会」を開催
<プレイベントについて>
イベント本番に先立ち、10月5日(土)にサンアップルでプレイベントを開催したところ、以下の反省点が出た。これらを解決し、より良いイベントにするため、さらなる準備を行った。
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課題1)安全確認が不足していた
⇒柳原体育館を下見し、危険個所や消火器、AEDの場所を確認した
課題2)イベント時の動きやタイムスケジュールを共有しきれていなかった
⇒チーム全員で時間や動きを再確認し、事前にリハーサルを行った
課題3)参加者の方をどうサポートすればいいか分からなかった
⇒今回イベントを手伝ってくれた信州大学の車いすバスケサークル「セローズ」の皆さんや、長野県障がい者福祉センター「サンアップル」の職員の方にアドバイスをいただいた。
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<本番当日>
本番当日は、信州大学の車いすバスケサークル「セローズ」とともに13人の参加者を迎え、しっぽ取りゲームやリレーを通して車いすに慣れながら、最後には車いすバスケの試合を楽しんだ。
<参加者アンケート結果>
今回のイベントの目的は「信州やまなみ全障スポ」や「車いすバスケ」、「共生社会」への認知度や関心のUP。イベント終了後に行ったアンケートの結果、イベントを通じてそれらが「高まった」という結果となった。
<課題>
⇒もっと余裕をもって早いうちから広報をしたり、ターゲットにより届きやすい場所で宣伝をするべきだった。
<成果について>
さらにイベントが盛り上がった
・
以上の発表を聞いた後輩の皆さんは、それぞれ彼女らに質問をぶつけ、ふみちーずはそれに答えます。質疑応答の一部をご紹介します。
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Q:どうして「車いすバスケ」のイベントにしようと考えたのですか?
A:チームにバスケ部が多かったからです。最初は信州のプロバスケチーム「信州ブレイブウォリアーズ」の人気UPプロモーションを考えていましたが、市場調査などを踏まえ、チームで話し合いをした結果、2028年に長野で行われる「全障スポ」に向けた「車いすバスケイベント」開催の方向で決定となりました。
Q:イベントの開催にあたり、一番大切なことは何ですか?
A:ニーズの調査だと思います!
Q:イベント資金はどう集めましたか?
A:学校から付与される予算の他、バスケの試合でTO(テーブルオフィシャルズ/審判とともにバスケのゲーム管理を行う役割)をした謝礼金などを資金に充てていました。
Q:イベント開催までに大量のタスクがあるなかで、どのように進めていましたか?人数の多いチームをまとめるのはすごく大変そうです…。
A:メンバー一人一人に仕事を細かく分担し、リーダーは全体を統括していました。話し合いの場では、会の最初と最後にチーム全体で進捗や内容をすり合わせるようにしていました。
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後輩の皆さんからの止まらない質問に、真剣に答えるふみちーず。自分たちの経験をかみ砕いて説明することで、より深く刻み込まれますね!高校生になっても、この経験を糧にSDGs活動を続けてくれると嬉しいです。
また後輩の皆さんも、今後ふみちーずのように学校外に飛び出して、探求学習を行うことになります。彼らはどんな取り組みを見せてくれるのでしょうか?来年度の活動も楽しみです!