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「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」長野市役所への提言を行いました。ゴミ削減と循環型社会

2021年11月12日

10月22日(金)「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」企画の
一環として長野市役所を訪問し、提言を行いました。
ゴミ削減と循環型社会

「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」とは、県内の児童・生徒の皆さんから、企業、自治体といった「大人たち」に向け、SDGs達成のために「もっとこんなことをしたらどうか」という提案をぶつけていただく取り組みです。

今回なんと約280もの応募をいただきました!その中から選ばれた5つの提言を、企業や自治体に向け、実際にプレゼンテーションをしていただきます。

今回プレゼンしてくれたのは、長野工業高校 機械工学科1年の青木さんと小出さん。提言先は長野市で、テーマは「ゴミ削減と循環型社会」です。
SDGs達成のためには「環境」に関する課題解決が欠かせないと気づいた2人は、環境問題について調べ、「ゴミ問題」についての提言を行いました。

プレゼンの概要は以下の通りです。
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1)テーマ設定の理由
・ゴミ問題、特に不法投棄されたプラスチックごみの海への流出が気になった。
・ゴミ削減のためにどのような取り組みを行っているのか知りたいと思った。

2)現状
・我々の出すゴミの量は東京ドーム約115杯分、1人あたり1日約920グラムと言われている。
・「マイクロプラスチック」が増えており、年間800万トンが海へ流出。
・洋服ゴミが増えており、そのほとんどが焼却・埋め立てで処分されている。

3)問題点
・マイクロプラスチックの海洋流出により、化学物質に汚染された魚が人体に影響を与える可能性がある。1年間に74000個ものマイクロプラスチックを摂取していることになる。
・海面上昇、異常気象の原因にもなる。
・ゴミを埋め立てる場所がなくなってきている。

4)今後の取り組み
・洋服をリユース・リデュースする(事例:長野県立大学の学生が運営する「古着屋triangle」)。
・量り売りサービスを増やす(事例:日本初のゼロ・ウェイストなスーパーマーケットを運営する「株式会社斗々屋」)。
・プラスチック製品を減らす(事例:ラベルレスボトル、紙ストロー、イベント等におけるリユース食器)。

5)SDGs実現のために~10代からの提言~
・日本全国で統一したゴミ分別基準を作り、徳島県上勝町のようなゴミ0の国を目指しましょう!

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プレゼンの後は、長野市役所の皆さんから感想やご意見をいただきました。

市役所の職員の方々からは「着眼点がおもしろい」「この問題に気づいて、意識をしてくれてありがたい」という声が上がる一方、意外な事実も判明します。

2人の調査結果では「増加傾向」とあったゴミ問題ですが、長野市ではなんと、現在「減少傾向」にあるというのです!!!
市民1人当たりの1日のごみ排出量も913gと、全国平均の920gよりも少ない長野市。近年、ペーパーレス化が進んでいることもあり、ゴミの量は全国的にも減少傾向にあるとのことでした。

また、長野市のごみ処理場「ながの環境エネルギーセンター」では、「ごみをただ燃やす」だけでなく、発電などのエネルギー生産も行っています。隣接する屋内プール「サンマリーンながの」をはじめ、近隣の小中学校の電力も、ごみから生み出されたエネルギーでまかなわれているのだそう。職員の方から「君もごみの焼却から生み出した電気で勉強していたんだよ」と言われた青木さん。思わず「エッ!」と驚きの声を上げていました。

上勝町のような小さな都市であれば実現可能なことも、長野市くらい大規模な都市だと難しい取り組みも多く、市民の利便性を考えながらも取り組みを進める必要があるのだそう。「上勝町の職員の方が、住民にどうやって説明しているのか気になります」という声も挙がりました。長野市としても、今後は燃えないゴミを減らしたり、フードロスの問題に取り組んでいきたいとのことでした。

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今回のディスカッションで判明した「ゴミは減少傾向にある」という事実に、びっくりした様子の2人。「地域の取り組みや設備など、知らなかったことを知る機会になった」「調べてきたつもりだったけれど、ネットの知識だけではなく、専門家の方の話を聞くことが大切だと思った」と、感想を話してくれました。

今回のプレゼンとディスカッションは、「自分自身の住んでいる地域の取り組み」について、改めて考えるきっかけをくれました。

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