協賛サポーター主催

実施報告

ゼロから学ぶ金融商品

団体名: 野村證券 長野支店

開催概要

2023年11月28日(火) 野村證券さんの出前授業を実施しました。

掲載日:2024年10月07日

テーマ:「ゼロから学ぶ金融商品」


日時:2023年11月28日(火)


場所:野村證券 長野支店


参加者:長野高等学校 1年生5名


 


野村證券を訪れたのは、校内で実施している探究学習の中で、株式投資や投資信託をテーマに課題研究を行う長野高等学校の1年生5名。今回フィールドワークの一環として、金融のプロフェッショナルである野村證券さんから「株式投資の基礎」を学びます。


 


【金融のしくみと証券会社の仕事を知ろう】


企業が事業活動を行う上で「お金」は必要不可欠ですが、資金調達には2つの方法があります。1つは銀行などを介して調達する「間接金融」、もう一つは企業が株式や債券を発行して、投資家から直接調達する「直接金融」。証券会社はこの直接金融において、企業と投資家の間に立ち、証券取引の仲介役を担っています。


 


【株式投資のメリット】


ここからは生徒と同じ長野高校出身の三城さんが、事前に生徒からいただいた質問に対する解説を中心に、「株式投資」について詳しくお話してくれます。


 


株取引において、企業は投資家から集めた資金で事業活動ができますが、投資家にとっては以下のようなメリットがあります。


・値上がり益:購入時よりも株価が上がった場合、売却すると大きな利益が還ってくる


・配当金:株式を所持している間は、定期的に企業から利益の一部を還元される


・株主優待:企業から自社商品やサービスを受け取れる


しかし、株価の上下変動は売り手と買い手の需給で決まるため、購入時よりも株価が上がるという絶対的な保証はありません。リターンが大きいほど、それだけリスクは高くなるということです。


ここで生徒から「投資すべき企業の見極め方」を聞かれ、三城さんは「企業の業績や業界の状況、1日の値動きから株の売買の動向を分析して、予測することもできます。そのほか、自分が応援したい企業や株主優待の内容で選んでもいいと思います」とアドバイスをくれました。


 


【なぜ投資が必要なの?】


「投資」と聞くと、日本では「難しそう」「リスクが高そう」などマイナスイメージが先行するかもしれませんが、欧米では金融資産の半分以上が株などの有価証券に投資されるほどメジャーなのだそうです。そんな日本とアメリカでは、物価上昇率も異なり、その差は年々広がっている状況。例えば、日本では1杯1,000円で食べられるラーメンが、アメリカでは約3000円払わなければ食べられません。この事実に生徒たちはお互い顔を見合わせて、驚きを隠せない様子でした。


また、あらゆる食品を輸入に頼っている日本では、為替や資源価格は物価に直結しているため、買うものの値段は上がり続けるのに、自分のお金が増えていかないという問題も起こっています。現在、物価高騰のほか、将来の年金問題など金融の不安が渦巻く日本では、「将来のお金は自分で増やそう」と資産運用の必要性が問われているのです。


 


生徒の「投資はしてみたいけどリスクも気になる…」という言葉に、「投資リスクを低減させるには3つの方法があります」と三城さん。いろいろな株を購入してリスクを軽減する「分散」、定期的に定額を投資して、価格変動に左右されにくくする「積立」、長期間の投資でリターン獲得の安定性を向上させる「長期」の手法について、実際の値動きを見せながら説明してくれました。


 


一通りの解説を聞き、生徒たちは新たに疑問が浮かんだ様子。より踏み込んだ内容で、次々と三城さんに質問していきます。


Q)同じ業界で業績が上のトヨタよりも、テスラの方が、時価総額が高いのはなぜですか?


A)「先行投資」といって将来性や今後の価値を見込んで投資することがあり、EV(電気自動車)大手のテスラはそういった部分でも人気が高いのだそうです。


 


Q)株価の変動は、企業にどのくらい直接的な影響があるのですか?


A)株価上昇で困ることはありませんが、株価が下がり100円をきってしまうと「倒産株価」と言われてしまいます。また輸出企業にとっては株価よりも為替の方が重要で、トヨタでは1円円安になるだけで、約450億円の押し上げ効果があるそうです。


 


Q)日本政府が海外投資を推奨するとニュースで見たのですが、海外企業への投資は日本企業の衰退につながってしまうのではないですか?


A)実は日本の株価を形成する6割は海外の投資家。個人だけでなく、銀行や企業などの法人投資家もいて、日本企業は今後も業績は上昇していく予測のため、今のところ問題はないそうです。


 


一つ一つ丁寧に、そしてわかりやすく説明してくれた三城さん。生徒たちもじっくりと資料を読み込み、最後まで三城さんの話に聞き入る姿が印象的でした。よりリアルな「株式投資」の学びは、それぞれの研究を深めるヒントになったのではないでしょうか。


 


【生徒のアンケートより】


・株ができた経緯から運用方法まで、株の基本をとてもわかりやすく学ぶことができた。


・銀行と証券会社の仕事のちがいをはっきり理解することができてよかった。


・証券会社の役割を知れたので、自分で口座をつくって投資を行う時は頼っていきたい。


・普段あまり見る機会のない株価の値や動きを見られてよかった。


・失敗しない投資についてさまざまな方法があるとわかった。大人になった時に、今回学んだ方法で資産を増やしていきたいと思う。


・会社を見極めて慎重に根気強く投資をしていきたい。


・世の中の情勢や企業状況を判断して、適切なタイミングで売買できたらいいと思う。


・現在の日本では物価高などで「投資」という選択がなかなかされていないが、その背景には日本人の慎重な国民性や株の悪い点にばかり目がいっていることがあると思う。


・日本でも学校などで株について学ぶ機会があると、人々の中で知識が広がって資本が流動し、結果的に国の成長につながるのではないかと考えた。まずは発表の時間で、学校のみんなに発信したいと思う。


・授業で習ったことより、実践的な方法を知れたので投資を身近に捉えられた。知った情報を周りにも広めていきたい。


・NISAなどの経済面における政府の動向もニュースできちんと把握しておきたいと思った。