2/25開催 出前授業

実施報告

NGOスタッフと考えよう! SDGsとあなたのつながり

団体名: 団体名: 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

開催概要

NGOスタッフと考えよう! SDGsとあなたのつながり

掲載日:2021年02月25日

NGOスタッフと考えよう! SDGsとあなたのつながり


今回の飯田市立飯田西中学校では、Zoomウェビナーを使用したオンラインの、新しい形での出前授業が行われました。


生徒たちの机の上には1人1台ノートパソコンが置かれ、自席のPC画面でセミナーを聴講しながら、個々にオンラインのアンケートへの参加ができるようになっています。各教室に設置されたカメラを通して、画面で聴講する生徒たちの様子を見ることができます。


本日のファシリテーターは、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの川口真実さんです。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、すべての子どもにとって「生きる」「育つ」「守られる」「参加する」子どもの権利を目指して、100年の活動の歴史を持つ国際NGO。講師の川口さんは、「アドボカシー(政策提言)室」という、子どもに関する課題について政府などにはたらきかけ、具体策を提言するチームに所属しています。今日は「考えよう! SDGsとあなたのつながり」というテーマで、生徒の皆さんと一緒に考えてみます。


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まずは、Googleフォームにアクセスして、オンラインアンケートに答えるコーナー。3つの質問に答えてもらいました。


【Q1】授業を始める前の、あなたの気持ちを教えてください!


わくわくしている・・・35.7%


緊張している・・・21.3%


眠い・・・48.4%


部活が楽しみ・・・25.6%


・・・お昼下がりということもあってか「眠い」人が多いですが、ワクワクしてくれている人もたくさんいますね。


 


【Q2】あなたはSDGsについてどのくらい知っていますか?


よく知っている・・・5%


少し知っている・・・40.5%


あまり知らない・・・41.7%


まったく知らない・・・6.5%


わからない・・・6.5%


 


・・・まだまだよく知らない人が多いですね。


 


【Q3】SDGsの目標を達成するために、自分はどのくらい関わりがあると思いますか?


              とても関わりがある・・・19%


やや関わりがある・・・43.1%


          あまり関わりがない・・・11.7%


          全く関わりがない・・・5.2%


          わからない・・・21%


 


SDGsとは、「持続可能な開発目標」のこと。2016~30年の15年間で達成を目指す17の目標があります。現在、世界中で格差が広がり、紛争や難民の問題がある一方で、大量生産・大量消費によるごみの問題などが起きています。「このままでは世界は持たない」という強い危機感を背景に策定されたSDGsは、すべての国が取り組むべき目標であり、目標達成において誰一人取り残さないことを大切にしています。


けれど日本は、2020年度の世界SDGsランキングで17位!達成している目標は4,9,16の3つ程度。達成できていない目標の方が多いのが現実です。


川口さんの所属するセーブ・ザ・チルドレンは、「すべての子どもたち」にとって持続可能な社会の実現を目指すことによって、SDGsに貢献しています。例えば、宗教や親の仕事、貧困、障害などを理由に通学できない子供たちに対して、現地のNGOや学校と連携し、現場に根差した活動で、学校に通えるようになる支援をしています。


また、栄養や保健分野に関して政府に働きかけること(政策提言)で、さまざまな理由から栄養を十分に摂れない子どもたちが、健康に暮らせるように活動しています。


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今回のメインテーマである「SDGsとあなたとのつながり」について考えてみました。


国連が決めた目標なんて、自分たちとは遠い気がするかもしれません。でも、意外と身近なことがSDGsとつながっているのです。一緒に考えてみましょう。


 



  • 毎日給食を食べているけど、世界の状況はどうだろう? 学校に行けていない子どももいるかもしれない。 → 目標1(貧困をなくそう)、4(質の高い教育を皆に)

  • 「男らしさ」「女らしさ」ってどういうこと? → 目標5(ジェンダー平等を実現しよう)


 


他にも、福祉委員会で募金活動をしていることとか、保健委員会の活動は、目標3(すべての人に健康と福祉を)に当てはまります。私たちの日々の活動も、SDGsとつながっているんです。


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ここで、宮城県石巻市で東日本大震災の復興に取り組む、ひよりさん(16歳)のストーリーをみんなで読みました。この話とSDGsにはどんなつながりがあるのでしょうか。


「ひよりさんのストーリー」のいくつかのポイントに注目してみました。


 


【ポイント1】


“子どもたちが中心になって企画・デザインした取り組みのひとつに「石巻市子どもセンター らいつ」があります。広場やスポーツ室、クラブ活動のできる部屋などがあるこのセンターの運営には、市の職員や大人だけでなく、子どもも参加しています。”


 


→ ゴール11(住み続けられるまちづくり): 大人が住みやすい街が、必ずしも子どもが住みやすい街ではないかもしれません。自分たちの街をそんな目で見てみることも、住み続けられるまちづくりには必要です。


 


【ポイント2】


“私が復興について思うことは、まず被災した人たちが声を上げなければ現状は変わらないということです。行政に何かしてほしいか要望を出すことにより、行政は被災者が何を望んでいるかがようやくわかるようになると思うからです。”


 


→ ゴール16(平和と公平をすべての人に): みなさん自身がどんなことを望んでいるか、声を上げて社会づくりに参加することが重要です。


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SDGs達成のために、あなたにできることは何でしょうか。


みなさんにできることとして、「知る」「理解する」「参加する」ことがあります。


まずは世界の出来事、または身の回りで起きていることを「知る」「理解する」。そのためにはニュースや新聞を読んだり、今日のようなイベントに参加することが必要です。そして、課題と感じることがあれば先生や家族に相談したり、地域の行政に働きかけてみる。関心のある課題に取り組んでいる学校内や地域の活動に積極的に参加してみるのも一つの方法です。


 


セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、ユースの活動もしています。興味のある方はぜひ参加してみてください。


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最後に2つ質問です。


 


Q1】今日の話を聞いて、SDGsの目標達成のために、あなたにできることはあると思いますか?今の気持ちを投票してください。


今もう取り組みを始めている!・・・9.2%


できることのアイデアがあり、すぐに動き出したい・・・9.8%


今日できることがあるように感じた・・・45.9%


これから周りの人にも相談して考えたい・・・7.2%


もっとSDGsについて勉強してから考えたい15.1%


今はわからない・・・12.8%


 


Q2】今もう取り組みを始めている人、できることのアイデアがある人は、ぜひ自由に書いて教えてください。


・ポイ捨てをしない


・食べ残しをしない


・ゴミを拾う


・募金・寄付 etc・・・


 


2030年のSDGs達成の先にも未来は待っています。私たちそれぞれが、できることから行動を起こしていきましょう! と川口さんは締めくくりました。


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最後は生徒会長の中島さんが、川口さんへの感謝を述べました。「今までやってきたことや


今日学んだことを活かし、来年度、飯田西中学校全体で取り組んでいきたいと思います」


 


具体的な例がたくさん散りばめられた今回の出前授業は、来年度の生徒会活動のヒントになったのではないでしょうか。飯田西中のみなさんがどのような取り組みをするのか、楽しみですね。


また、ところどころで全員参加のアンケートができたのもオンラインならでは。さまざまな問題を自分ごととして捉え、「今日から」行動を変えていけるきっかけになる出前授業でした。