12/10開催 出前授業

実施報告

JICA(国際協力機構)による出前授業

団体名: 独立行政法人 国際協力機構

開催概要

12月10日(火)長野県松商学園高等学校で出前授業を開催しました。

掲載日:2019年12月10日

松商学園高等学校の1年生は総合学習の授業で、自分自身の課題から始まり、クラスや地域社会の課題について考えてきたそうです。その学習の集大成として世界の課題に取り組むこととなり、この出前授業に至りました。


 


授業に参加したのは1年生120名の皆さんです。講師は発展途上国への支援活動をしているJICA(国際協力機構)の竹内岳さん。様々な事例をクイズにしたり生徒会に例えたり、生徒たちを巻き込んで分かりやすく授業をしていただきました。


授業の中で、生徒たちは「文字の読めない怖さ」を体験しました。スクリーンに表示されたのは、日本語でも英語のアルファベットでもない文字。この指示に従ってください、と竹内さん。ざわつく生徒たち。この指示に従うことができたのは、後ろで立っていた先生たちだけです。実は、この文字は「立ってください」という意味だったのです。もしこの指示が命に関わることだったら、とても恐ろしいことです。文字が読めないということは、時として命までも不平等にしてしまう、と竹内さんはいいます。


世界の人口76億人のうち発展途上国に暮らすのは60億人。そのうち20%の人は読み書きができないといいます。日本は発展途上国と「相互依存」の関係にあるそうです。工業製品を作るのは得意な日本ですが、原材料や食料の生産は得意ではありません。食料の60%を途上国からの輸入に頼っているため、途上国がなくなれば食材の6割が食卓から消えてしまいます。途上国の安定が、日本の安定に繋がるのだそうです。



SDGsのスローガンは「誰一人取り残さない」です。難しい取り組みだと思わずに、自分がワクワクすることをして、そこで得た知識や技術を困っている人のために生かして欲しい、と竹内さんは生徒たちに伝えました。


この授業を受けるまでは、SDGsのことをよく知らない生徒も多い様子でしたが、授業後のアンケートでは、「自分の身近なところでも取り組めることがあると思った」「思っていたよりも事態が深刻だということを知った」「日本や世界の現状をもっと知りたい」「みんなで話し合い、意見交換する授業がしたい」といった感想が寄せられました。


松商学園高等学校の生徒たちがこれから取り組む世界の課題も、身近な問題とつながっていることに気づくきっかけとなる出前授業でした。