9/6開催 出前授業

実施報告

JICA(国際協力機構)による出前授業

団体名: 独立行政法人 国際協力機構

開催概要

「世界がもし100人の村だったら」一般向けワークショップin須坂

掲載日:2020年09月06日

9月6日(日)、須坂市シルキーホールにて公開講座が開催されました。講師はJICA(国際協力機構)の竹内岳さん。講座に参加したのは、小学生20名、中・高校生5名、保護者・教員各1名の計27名です。


参加者には、性別・国籍・言語などの設定が書かれた役割カードが配られました。


「皆さんはシルキーホール村の村人です」と講師の竹内さん。


世界196か国、約77億人をシルキーホール村の27名に縮小して、世界で起きていることを体験するワークショップの始まりです。


異なる言葉で挨拶をし、同じ言葉で挨拶をする村人を探してグループをつくります。できあがったグループを見渡すと、どうやらグループによって人数が違うようです。


「これは、世界の人口の比率と同じです」と竹内さん。


グループごとに、大陸に見立てたロープの中に入ってみると、アジアはギュウギュウ、ヨーロッパはスカスカ。人口の比率が高いと、限られた資源を多くの人で分けることになるので、貧困や争い、失業などの問題が起こってしまうそうです。


グループ(大陸)毎に環境の異なる中にいる参加者は、ワークショップ内で起こる出来事に自分達が置かれている状況を把握しながら、対応をしようとしますが、普段の自分が置かれている状況と違うグループ(大陸)にいる参加者は、しどろもどろ。


その差は、実は、先進国にいるか途上国にいるかの違いでした。


途上国のグループにいた参加者は、環境の悪さを体感し、先進国のグループにいた参加者は、自分達が何かしてあげないといけないんだなということに気づき始めます。


続けて竹内さんは、「世界で起きている問題は、先進国の私たちが作り出しているのかもしれません。SDGsは、自分たちだけが良くなるのではなく、誰一人取り残さないことが大切なのです」と伝えました。


言葉や性別、人口、持っている富や資源に違いがあることを体験したところで、ワークショップは終わりです。休憩を挟み、後半はSDGsについて学びました。


「グローバル化」って聞いたことあるかな。これって一体何だろう?


「グローバル化」とは、人・モノ・金・情報がより早く、遠く、大量に移動が可能になったこと。日本は工業製品を輸出して、海外から食糧を輸入しています。これは相互依存の関係といって、日本と世界は「お互い様」ということ。海外とのやりとりがストップすると、普段の食卓から半分くらいの食品がなくなってしまうかも知れません、と竹内さんが言うと、「え〜!!」という声が会場に響き渡りました。


竹内さんは続けます。


「豊かな村(先進国)である日本は、世界で困っている人たちに何ができるか考えてみよう。このワークショップを通して、今まで気づかなかったかもしれない世界の問題に気づいてもらえたかな。世界で起きている問題を、自分には関係ないと思わずに、『ジブンゴト』として考えよう!」


参加した小学生からは「文字が読めたり、食べ物に困ったりしない今の生活は当たり前ではなく、世界中で支え合うことが大切だと思った」「これからは、ごはんを残さず食べようと思った」、保護者からは「物などが豊富にある時代に生まれたからこそ、息子に知って欲しいことでした」という感想が上がりました。


小学生から大人まで、楽しみながらSDGsの本質を学ぶことができました。