NAGANO SDGs PROJECT主催

実施報告

持続可能な世界を実感!Get the Pointから考えるSDGs

団体名: まごねこ事務所

開催概要

2023年6月1日(木) 長野県高遠高校で出前授業を開催しました

掲載日:2024年05月05日

テーマ:「持続可能な世界を実感!Get the Pointから考えるSDGs」


団体名:まごねこ事務所


講師 :望月ゆかり先生(長野県生涯学習推進センター専門主事)


場所 :長野県高遠高校


受講者:高遠高校1年生 24人


高遠高校の1年生は総合学習の時間を使い、さまざまな角度からSDGsについて学んでいます。本日は外部から講師を招いて3時間の特別授業。今回「Get the Point」というカードゲームに参加してくれたのは、3クラス混合の24名です。4人ずつが6つのグループに分かれて机の上にカードを広げました。さっそくゲーム開始です!



まずは1ゲームやってみましょう!


 カードは2種類あります。六角形のカードには、「鉄」や「レアメタル」「化石燃料」といった、いわゆる資源のようなものが描かれています。「木材」「植物」「動物」と合わせて6種類。一方の丸いカードには、「家」「車」「携帯電話」「お寿司」など私たちの暮らしに欠かせないアイテムが、必要なポイント(単位はG =ゴールド)とともに描かれています。


 



机の上に広げたシートは2枚。事前に決めたリーダーさんから順に、まず自分の欲しいと思う丸いアイテムカードを1枚とってシートに並べます。アイテムカードにはそれを作るのに必要な「資源」が色で記されていて、たとえば「車」なら、鉄(グレー)が1、レアメタル(紫)が1、化石燃料(黄色)が1。「お寿司」なら、動物(赤)が2、植物(緑)が1…という具合。欲しいアイテムに必要となる数の資源カードをもう片方のシートに並べていきます。「まずは車だよね。」「えー、家でしょ!」それぞれ自分の好きなアイテムを次々にゲットしていきます。


4人が1周したら、「資源回復ルール」が発動!実は資源には「回復する資源」と「回復しない資源」があり、回復する資源はシートに置いた枚数の倍に増えるというルール。木材、植物、動物の3種は、いくら使っても1周したら復活します。一方で鉄やレアメタル、化石燃料はどんどん残りの枚数が少なくなっていきます。


1ゲーム目はチーム内で競いながら、すべての資源を使い切ったら終了で、チームの合計点でポイントの高いチームが勝ちとなります。だいたいみんな4~6周くらいで資源が枯渇し1ゲーム目が終了。家や車など大きなものをゲットしていた人がたくさんのポイントを得て勝っていました。


そこで望月先生は生徒たちに問いかけました。「復活しない資源はゼロになって終わり。これが本当の世界だったらどうでしょうか?家や車、ケータイ、みんなでほしいものをゲットし続けると、資源がなくなっちゃいますよね。」


 



ルールを少し変更して2ゲーム目!


2ゲーム目はルールが少し変更されます。資源が尽きたら終わりでなく、10周を目指して回していき、10周目で4人の合計ポイントが一番多いチームが優勝。しかも、10周以上続けられるように進行せよとのミッションが付加。作戦会議ではチーム内でいろいろなアイデアが出されます。「(資源が復活する)サラダや漬物ばっかり選べばいいじゃん」「大きなものは少しにして、あとは地味にいこうよ」


しかし今度は、1周ごとにイベントが発生するようです。1周終わったところで、なんと「クライシス」が!世界中で森林破壊が起こったため、木材カードの半分とさらに1枚ゴミ箱へ!復活するはずの資源カードが没収されていきます。小さく悲鳴が聞こえるチームも。一方で「サスティナブル」なイベントもあります。(再生しない)化石燃料カードを(再生できる)植物カードで代替できるというものです。再生できる資源で、高価なポイントをゲットできます。


1周のイベントごとに悲鳴や拍手が起こり、ドキドキしながらもみんなで話し合い、協力しながら10周を目指しました。すべてのチームが10周完了!合計ポイントをそれぞれ計算してもらうと、どのチームも1ゲーム目より倍ぐらいに増えていました。


変わったことは何でしょうか?


「1ゲーム目と2ゲーム目、変わったところはどこでしょうか?」と望月先生。基本ルールは変わっていないのに、みんなで話し合い、協力し合うことでポイントが倍に増え、さらにまだゲームを続けられそうでした。先生は強調します。「変わったのは“目標”です。最初は自分が豊かになるという目標(個人戦)だったのが、みんなで豊かになる(チーム戦)、そして世界を次の世代につなげる(10周以上続ける)、というように目標が変わったら行動が変わったでしょう」なるほど、みんな気が付かないうちに行動を変えていたんですね。そして、「SDGsは世界の“目標”です。みんなで同じ目標に向かい、頑張ったら、行動が変わって、未来が変わるんです。ぜひ明日から一歩、何かできることを始めてみてください」と授業を結びました。


その後、ゲームを終えて生徒たちがそれぞれ振り返ってくれました。


・自分がいつも通りの生活をしていてもSDGsは関わっていて、とても身近なものだと分かった。


・SDGsは、相手のことや後のことを考えて、限りのある資源をなるべく残していくという「思いやり」の目標だと感じました。


・全員自分のことだけを考えていたら資源はすぐなくなってしまうけど、全員が他人や未来のことを考えていれば資源はなくならない。


・自分だけではダメだけど、世界中の人たちと協力すれば、少しずつ達成できることはあると思いました。


・みんなで目標を立ててやれば、できそうだと思った。


・めっちゃ楽しかった。隣のクラスに友達ができたし、SDGsについても学べてよかったです。こんな感じに世界が平和になれたらいいな~って思いました。


・ごみを分別したり、小さいことからだったら自分にもできそうだと思いました。


自分たちの生活にSDGsがぐっと近づいたカードゲーム体験でした。小さな一歩を『自分で』踏み出すことが大事です。参加してくれた生徒一人ひとりが、今日感じたり気づいたりしたことを明日から実践してくれるといいですね。