2/20開催 出前授業

実施報告

キャリアトラスティングによる出前授業

団体名: (株)キャリアトラスティング

開催概要

2月20日(木)佐久平総合技術高校で出前授業を開催しました

掲載日:2020年02月20日

「THE SDGsアクションカードゲームX(クロス)」


 今回体験したのは佐久平総合技術高等学校の3年生。就職や進学などそれぞれ4月からの進路がほぼ決まった生徒さん約200名が、春休みのなか登校し、みんなでSDGsを学びました。講師は、(株)キャリアトラスティングの吉池敦さん。前半はスライドを使ってSDGsの概要をわかりやすく説明いただきました。



「アース・オーバーシュート・デイ」…これは1年分の地球の資源を使い果たした日のこと。2019年は7月29日でした。世界中の人々が日本人と同じレベルの生活をしていたら、1年で地球2.9個分の資源が必要となるそうです。アメリカ人と同レベルの生活であればなんと地球5個分!現状の世界平均では1.7個分なので、これを1.0個にすることが求められるのだそうです。


SDGs=持続可能な達成目標とは、「将来を見据えつつ、現在の欲求を満たす」こと。社会、経済、環境 3つの主要素を調和しなければなりません。また、「サプライチェーン」というキーワードに関連し、スナック菓子などに使われるパーム油の原料「パームヤシ」の栽培が、開発途上国の自然を破壊している、という恐ろしい現実も聞きました。世界はつながっている、そして、私も「起点」である―。だからといってスナック菓子を食べないのではなく、問題を知って意識したうえで、どんな消費をするか、考える必要があるということです。


さて、後半のワークショップは、金沢工業大学が開発した「THE SDGsアクションカードゲームX(クロス)」。「トレードオフ」と「リソース」の2種類のカードを使って、課題を解決しながら持続可能な社会を実現するための、具体的なアイデアを考えるゲームです。今日は9~12人が1グループとして分かれ、講堂全体に12組ほどの円が広がりました。その中で、さらに3人が1チームになって、ゲーム開始です。


グループのゲームマスターが「トレードオフ」カードの山から1枚めくります。あるグループでは「移民を受け入れたら失業率が高くなってしまった」というカードが出てきました。それを解決するためのアイデアを、1人1枚手元に配られた「リソース」カードを使って、チームでひねり出します。あるチームの生徒の手元にあったカードは「建築」。そこで、移民の住宅を建築することで、建築関係の仕事を増やす!というアイデアが出ました。次のチームから出てきたカードは「お祭り」。地域みんなでお祭りを開催することによって民族間のわだかまりをなくす、という違った角度からの提案でした。高校生ならではの斬新な思い付きですが、どんなアイデアでも「否定しない」「賞賛する」姿勢がルールとされ、自分の発言に自信をもって、さらに人の意見も素直に聞く―そんな体験にもなりました。



次のターンでは、1枚のトレードオフカードに対し、チームで2つのリソースカードを使って複合的に解決するアイデアを出しました。吉池さんから「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせでしかない」というジェームス・W・ヤングの言葉も引用され、気づきのあった生徒もいたのではないでしょうか。



最後に、SDGsに取り組むさまざまな企業や団体が活動する映像を見て、一人ひとりがこれから自分にもできるSDGsの具体的な取り組みを考え、シートに記入しました。


 


世の中の課題に対し、自分の身近なことに関連づけてアイデアを発し、解決の道を話し合うという今回のワークショップ。これから社会に出る(または進学する)生徒たちにとって、普段は経験できない1日になったことでしょう。今日をきっかけに、身近なことからSDGsへのアクションを起こし、またこの体験をぜひ社会で活用してもらいたい、と吉池さんは締めくくりました。