CHANGE for GIRLS from NAGANO

実施報告

無 料

CHANGE for GIRLS from NAGANO 2020

団体名: 主催:CHANGE for GIRLS from NAGANO実行委員会 (構成団体:長野SDGsプロジェクト実行委員会、一般社団法人ガールスカウト長野県連盟) 協力:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン


開発途上国では女の子の多くが経済的、文化的な理由により学校に通えず、10代前半での結婚を余儀なくされ、貧困の中で暮らしています。先進国でも、女の子にはさまざまな社会的制約が存在します。 日本はどうでしょうか?
国際状況を知り、日本の状況を知り、高校生・大学生の生の声を聞いて、今、自分達にできることを一緒に考えてみませんか?

1.国際状況を知る:
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
アドボカシーチーム リーダー 長島 美紀さん

世界から見た女の子の現状

■団体紹介■
プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発を進めてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。市民社会、政府機関や国際機関と連携しながら、世界を持続的に、前向きに変えていきます。

■登壇者プロフィール■
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン アドボカシーチーム リーダー
長島 美紀

Malaria No More Japan理事、SDGs市民社会ネットワーク業務執行理事、早稲田大学平山郁夫ボランティアセンター(WAVOC)コーディネーター、一般財団法人あしなが育英会評議員。政治学博士。
大学で研究の傍らアフリカ支援キャンペーンに携わったことを契機に、様々な団体のコミュニケーション事業や支援事業、アーティストやスポーツのチャリティ活動運営に従事していた。現在プラン・インターナショナルでは、アドボカシーチームリーダーとして、特に女の子や若い女性が自らの意志で未来を選び取ることができるよう制度や社会規範の変革に関する提言活動に取り組んでいる。

2.日本の状況を知る:
一般社団法人ガールスカウト長野県連盟
8団 リーダー 海野 友希乃さん

日本の女子高校生・女子大学生年代のジェンダーに関する考えを知ろう

■団体紹介■
ガールスカウトは100年以上前にイギリスで始まり、日本に活動が入ってきてから今年でちょうど100周年を迎えます。
長野県連盟では現在、就学前1年から高校生年代の少女と成人1200人弱の会員が「自ら考え行動する」ことを念頭に活動しています。
(公社)ガールスカウト日本連盟は「少女と女性の視点に立って、より幸せな社会と未来の実現を目指し、リーダーシップを発揮できる人材を育成するとともに、社会に変化をもたらすチェンジエージェントとして行動します」を行動指針としています。

■登壇者プロフィール■
一般社団法人ガールスカウト長野県連盟 8団 リーダー
海野友希乃さん

小学1年からガールスカウトに所属し、全国にいるガールスカウトの仲間たちとのキャンプや、地域でのボランティア活動などに参加。
長野県連盟にとどまらず、日本連盟でも活動し、昨年度は、大学生年代の女性を対象にしたジェンダーに関する調査を行い「女子大学生×ジェンダー調査報告書2020」を作成し、報告会を実施。
また、ガールスカウトの代表として、日本連盟会長、茨城県連盟の会員と共に、日本ガールスカウト運動100周年のアンバサダーである、東京都知事小池百合子氏へインタビューをするなど、積極的にガールスカウトの活動に取り組んでいる。


3.長野県の高大生によるパネルディスカッション(感じること、疑問、社会への提案)

4.今、社会に求められること・長野宣言の採択

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開催概要

開催期間 :

2020年10月25日(日)13:00〜15:30

会場 :

信濃毎日新聞社 長野本社2F講堂

受講料 :

無料

CHANGE for GIRLS from NAGANO 2020

掲載日:2020年10月25日

国際NGOプラン・インターナショナルの働きかけを受け国連により制定された「国際ガールズ・デー」に際し、「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」の推進を図るためのイベント「CHANGE for GIRLS from NAGANO 2020」が10月25日(日)、信濃毎日新聞 長野本社2F講堂にて開催されました。


2030年までの課題解決が目標とされているSDGsですが、「5.ジェンダー平等を実現しよう」だけは解決時期が明言されておらず、それだけ早期解決が必要な問題だと言われています。


今回のイベントでは、


【1】国際状況を知る


【2】日本の状況を知る


【3】長野県の高大生によるパネルディスカッション(感じること、疑問、社会への提案)


【4】今、社会に求められること・長野宣言の採択 


の4つのパートで、国内外のジェンダーについての現状や、若者が持つ意見を共有し、ジェンダー問題の今後について考えました。


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【1】 国際状況を知る


まずは公益財団法人「プラン・インターナショナル・ジャパン」アドボカシーチーム・リーダーの長島美紀さん。東京からリモートで、スクリーン上での出演でしたが、国際的な視点から「女の子の置かれている環境」や、プラン・インターナショナルの取り組みについてお話くださいました。


長時間の家事労働、学ぶ機会のはく奪、早すぎる結婚や妊娠、暴力、健康な成長の妨げ―。


世界に約1億人いるとされている、15~24歳の「女の子」は、「女の子だから」という理由だけで生まれた時から差別や危険にさらされています。しかし、声を挙げられる環境が整っていないために、膨大な数の女の子が「見えない存在」となっています。


プラン・インターナショナルでは、そんな女の子たちに光を当て、「学び」、「先頭に立ち」、「自分で人生を決定し」、「差別や暴力の無い環境で成長できる」未来を目指し、実情を調べるためのデータ収集や、「イコール・メジャーズ(SDGs17のゴールのうちジェンダーの視点が必要なものに設定された新たな指標)」の制定をはじめとしたさまざまな取り組みを行っています。


・首相や社長など、「決定権」を持つ人の役職を1日交替してみる、世界の「Girls Leadership」


・広告での「ジェンダーの描かれ方」に疑問を呈した、日本の「Girls Leadership」


・最年少で8歳から被害に遭っているという「オンラインハラスメント」


・コロナ禍で女性が不利な立場に置かれる「ピンクリセッション」


など、多様な切り口から活動の紹介や課題の提起を行うことで、世界の「女の子」に対する取り組みや、その進捗を解説してくださった長島さん。「女性が意思決定のプロセスに参加し、意見を述べられるような世界にするためにも、主役である女性たちが動く必要がある」と力強く語ってくださいました。



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【2】 日本の状況を知る


次に登壇したのは、一般社団法人「ガールスカウト」長野県連盟・8団リーダーの海野友希乃さん。


18~25歳の女性を対象に、昨年度実施した「ジェンダーに関する調査」と、それをもとに作成した「女子大学生×ジェンダー調査報告書2020」から、国内の女子高生や女子大生が考える「ジェンダー観」についての発表を行いました。


・夫は外で働き、妻は家庭を守るべき、という考えに賛成か?


・就職を考える際、「女の子」であることで何か障害になることはあると思いますか?


・性的な嫌がらせや性差別を受けたことがあるか?


上記のような質問から、日本におけるジェンダー課題を洗い出します。調査は2019年12月6日~2020年1月17日にかけて行われ、536件の回答が集まりました。


・夫は外で働き、妻は家庭を守るべき、という考えに賛成か?


という質問に対しては、反対86%と女性の社会進出に積極的な様子が伺えますが、


・就職を考える際、「女の子」であることで何か障害になることはあると思いますか?


という質問に対しては、約70%が「はい」と回答。日本の職場において「ジェンダー平等」はまだまだ実現できていないという結果が明らかとなりました。


・性的な嫌がらせや性差別を受けたことがあるか?


という質問に対しては、高校生66%、大学生はなんと92%が「はい」と回答。


「セクハラや痴漢の被害に遭ったことがある」という声が特に多く挙がりました。


もともと「女の子だから」という言葉に違和感を覚えていたという海野さん。今回の調査の結果を受けて、海野さん自身もジェンダーについてさらに積極的にアンテナを張るようになったそう。


「声を挙げることで見えてくるものもある。女性だから、男性だから、という視点を外して『好き』なものを『好き』、『やりたい』ことを『やりたい』と言える世の中にしていきたい」と締めくくりました。




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【3】 長野県の高大生によるパネルディスカッション では、


1)ジェンダーについてどう考えるか?


2)性別による制限を感じるか?


3)夫は外で働き、妻は家庭を守るべき、という考えに賛成か?


4)これから自分たちにできること、したいこと


の4テーマについて、県内の高校生や大学生9名が登壇し、それぞれの考えを述べ、議論を交わしました。一部をご紹介します。


<<参加者の声>>


1)ジェンダーについてどう考えるか?


・「男性」「女性」という言葉について、疑問を持つことでジェンダーへの見方が変わるのではないか


・ジェンダー観は「育った環境」も大きく影響してくるのでは。大人には言葉選びを気を付けてほしい


・興味がない人にも情報が届くよう、学校教育やメディアでもっと取り上げてほしい


・個人で勉強することも大切だが、女性や若者の声を政策に反映することも大切


2)性別による制限を感じるか?


・なぜ「女子だから足を閉じなさい」と言われるのか疑問に感じたことがある


・職業体験で工業系の会社を希望したら「そこは男子の行くところ」と却下された


・妊娠、出産など、女性であるがゆえに人生を左右される


・素晴らしい奇跡のはずの「妊娠」で、生活やキャリアプランにおいて不安になるのは苦しい


3)夫は外で働き、妻は家庭を守るべき、という考えに賛成か?


・外で頑張る人も、家を守る人も、どちらも不可欠。ただ性別で分けるべきじゃない


・男性側の言い分も聞くべき。夫婦の形はそれぞれで決めていくものでは?


・「キャリアウーマン」というモデルも女性を苦しめるひとつの要因では?


・まずは「反対の人が多いのに、なぜ解決しないのか」を考える必要があるのでは?


・そもそも「夫」と「妻」の定義は?


・「個人の問題」「夫婦の問題」にしてしまうと、本当に困っている人にサポートが行き届かないのでは


・女性も決定権をしっかりと持ち、政策レベルで変えていけるようにするべきでは


 


4)これから自分たちにできること、したいこと


・「男性」「女性」それぞれの違いを理解し、相手も自分も納得できる方法について考えていきたい


・出産など「女性」にしかできないことや、その一方で「男性」にしかできないことを考え、自分の性を大切にできるようにしていきたい


・自分の中に隠れているバイアス(偏見)を自覚し、想像力を豊かにしたい


・ジェンダーについて批判的に考えすぎず、もっとポジティブに考えていきたい


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【4】 今、社会に求められること・長野宣言の採択 


イベントの最後には、個人や企業、学校に向けて


▼自分の中に「女の子だから」という固定概念がないかどうかを見つめなおしましょう。(個人)


▼一人ひとりが平等な評価や対等な扱いを受け、性別に関係なく、子育てと仕事が両立できる環境をつくりましょう。(企業)


▼一人ひとりを平等に扱い、生徒がジェンダー平等について考えるきっかけをつくりましょう。(学校)


と呼び掛ける長野宣言を採択。ジェンダー問題の解決に向けた大きな1歩となりました。


当日のドレスコードは「国際ガールズ・デー」のイメージカラー・ピンク。ピンク色の服を着ている方や、小さなピンクのリボンのブローチをつけている方、ピンク色のネクタイをつけている方など、みなさん思い思いの「ピンク色」を身につけていました。これもまた、会場が一体となり「女の子に人権」について考えるきっかけのひとつとなったのではないでしょうか。



ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。