News

「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」(株)守谷商会様を訪問し、提言を行いました。「ユニバーサルデザイン」

2021年12月22日

11月12日(金)、「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」企画の一環として、長野県長野工業高等学校の生徒さん2名が株式会社守谷商会を訪問し、提言を行いました。

・・・・・・・・・・・・・・・
【「Innovation from Teenagers ~10代からの提言~」とは】
県内の児童・生徒の皆さんから、企業、自治体といった「大人たち」に向け、SDGs達成のために「もっとこんなことをしたらどうか」という提案をぶつけるという取り組み。応募総数280点の中から選ばれた5つの提言を、企業や自治体の方に向けてプレゼンテーションしていただきます。
・・・・・・・・・・・・・・・

今回、提言にチャレンジしてくれたのは、長野工業高校 建築学科1年生の佐藤さんと陣之内さん。テーマは「ユニバーサルデザイン」です。
テーマについて調べていくうちに、街のユニバーサルデザインがなかなか進まないことに疑問を持った2人。長野市にある総合建設業でインフラ整備にも多く携わる(株)守谷商会を訪れて、思いをぶつけました。

プレゼンの概要は以下の通りです。
————————————————————————————————

■「ユニバーサルデザイン」とは障害の有無、年齢、性別、人種等に関わらず、多様な人々が利用しやすいよう、あらかじめ都市や生活環境をデザインする考え方。

■「ユニバーサルデザイン」はSDGsの17の目標の中で下記に該当する。
4.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを

■国土交通省の調査によると、「歩道の拡幅や段差解消」は国民からのニーズが高いのに、なかなか進んでいない現状がある。

■改めて長野市街地の歩道を注意してみると、(2人が長野市街地を歩いて発見した危険個所の写真を紹介しながら)危険な段差や溝が多く、バリアが解消されていないことが分かった。

■面としてのユニバーサルデザインが進んでいない。
その原因は、市町村において「バリアフリー化推進」の優先順位が低いこと、「作成するための予算やノウハウがない」という理由で基本構想が進まないことがあげられる。

実際にバリアフリーが推進されている町の事例のように、ハード面だけでなく「心のバリアフリー」にも配慮しながら誰もが快適に暮らせる、「駅」を中心に公共施設や福祉施設を展開する「面的なユニバーサルデザイン化」を進められないか。

【10代からの提言】
・市区町村で道路施策をする時は、「バリアフリー化の推進」を優先してください。
・「面的なユニバーサルデザイン化」も進めてください。

————————————————————————————
プレゼン後、守谷商会の方々からバリアフリーが思うように進まない現状のお話や貴重なご意見をいただきました。

「『面的なユニバーサルデザイン化』は駅を中心に公共施設や福祉施設が展開する状態を理想としているが、駅前は利便性が高い分、皆がその周辺の土地を欲しがる。現状だと行政と民間では民間の経済力の方がどうしても強いため、駅前は商業施設が多くなってしまうのです」
民間の自由な経済活動と行政が担うユニバーサルデザインの推進、どのように折り合いをつけていくべきか。すぐには答えが出ない問題ですが、この頃は駅前の商業ビル内に公共の施設をつくるという事例も出てきていることもあり、引き続きみんながよりよく暮らせるよう民間と行政が歩み寄る努力が必要、という現状を語ってくださいました。

そのほかにも、実際にインフラ整備を手掛ける立場からの貴重な意見をいただきました。
「これからの時代、『エネルギー問題』は避けて通れないのでSDGs7番目の目標である『エネルギーをみんなにそしてクリーンに』も視野に入れてほしい。当社も地下熱利用に力を入れているが、ユニバーサルデザインと絡めてエネルギー活用の在り方を考えることが、よりよい街づくりに必要だと思う」
「インフラなどの公共事業の場合、行政からあらかじめ仕様が決まった状態で依頼を受けるのでなかなか難しいが、民間施設の施工など、当社でご提案できる場合は、今後も積極的にバリアフリーを提案していきたいし、行政にもどんどん働きかけていきたい」

その上で、「今回のように『どうしてバリアフリーが進まないのだろうか』と疑問を持つことはとても大切。あらゆるもの見て、常に『なぜ』『どうして』と思う感性を大事にしてほしい。」と2人に熱いエールを送ってくださいました。

誰にとってもやさしい、持続可能な街づくりとはどのようなものなのか―。
実現のためには何が必要なのか―。
これから建築の世界を目指す高校生の2人が現実を見据え、より考えを深める貴重な機会となりました。
きっと、社会人になった彼らは、よりよい街づくりのために活躍してくれることでしょう。

 

News

Archives